島根赤瓦を巡る旅:DAY 2

温泉だけじゃない!豊かな自然と石見銀山へと続く銀の輸出拠点温泉津(ゆのつ)

温泉津(ゆのつ)温泉は「石見銀山遺跡とその文化的景観」の一部として世界遺産に登録されている日本で唯一の温泉街。特に温泉津は銀の積出港のひとつでもあったため、石見銀山から採掘された銀を運ぶ拠点として、また山陰道(山陰街道)の宿場町でもあるのです。

せっかく温泉津に泊まったなら、ちょっぴり早起きして昔銀を採掘し、港まで運んでいたという当時の道をふらふらと散歩してみることに。温泉ということもあり、このあたりは湿度が高いのか緑色に光る苔がとても美しい。季節を問わずこうして青々として緑の道はまるでおとぎ話の世界に迷い込んだ気分。

温泉街だけでなく、ちょっと奥まった場所を散策してみるとこの町がかつてかなり栄えていただろうなぁと思わず想像力を膨らませてしまう。とにかくため息の美しさ。(しかもほとんどの観光客がこのすばらしさをまだ知らないとは、もったいない)

そして温泉津温泉街の散策を終えたら次に向かうのは石見銀山世界遺産センターへ。

 

石見銀山世界遺産センターで石見銀山の歴史とストーリーを学ぼう!

石見銀山世界遺産センターではまず「石見銀山」がどんな風に発見され、発展していったのか、その当時の世界と日本との関係、また国の仕組みなど当時どんな風に銀山が経営されていたのかを知ることからはじめましょう。残念ながら館内は写真撮影一切禁止のため、丁寧に解説できないのが残念ですが、銀山を実際に歩かなくても(かなり広い)概要を知ることが出来ます。

石見銀山世界遺産センター
島根県 大田市 大森町イ1597-3
0854-89-0183
8:30-17:30
おとな 300円
facebook

 

石見銀山・大森の町歩きで歴史ある街並みを生かした楽しいショップクルーズを!

正直どんなところなのか想像もしていなかったのですが・・・石見銀山からすぐの場所にある大森の町歩きは前のめりでおすすめ。というのも古い町並みやお家を修繕補修して、魅力あるお店を集めているのがこの大森だから。

とにかく赤瓦に美しく手を入れられた古民家を見ていると、地域の特質を生かした正しい街づくりだと感じます。本当にこの試みはすばらしい。島根に行ったら絶対に訪れたい場所。島根のちょうど真ん中に位置する場所です。

 

古い床屋さんをリノベーションした場所はフォトスポットに。古いそのままではなく、残すべきところと手を入れるべきところの取捨選択がすばらしい。また年代モノの民芸を飾る軒先も和を存分に感じさせるミュージアムのよう。これは国内外の観光客がここを目当てに訪れるのも納得。

そしてドイツパンの店として超有名な「ベッカライ コンディトライ ヒダカ」もまたこの大森の町にある店のひとつ。わたしもここぞとばかりにパンを買い込んだのですが、これがまたどれを食べても本当においしい。大森の町に来たらここのパンをお土産にするべき、と強くおすすめしておきます。パンは冷凍できるのでぜひ。

そしてこれまた幸運にも(偶然この隣の建物に来ていた)、この街並みを作り上げた立役者のひとりでもある中村ブレイス株式会社の会長にもお目に掛かることが出来ました。

中村ブレイスは義肢・装具や人工乳房などを製造し、世界30カ国から注文を受ける島根の超有名企業。会長はこの街並みを自分の資産を使い古民家に手を入れて、その施設を魅力的な才能あるひとたちを呼び寄せ、使ってもらうことでこの大森の町を作り上げたのだそう。弾けるような笑顔が素敵なおじさまでした。(一瞬で会長のファンに!)

ベッカライ コンディトライ ヒダカ
Bäckerei Konditorei Hidaka
島根県大田市大森町ハ90-1
10:00~17:00
水・木曜定休
食べログ

 

古民家ラバーにはおなじみ、超予約困難な宿、阿部家と群言堂

度々メディアに取り上げられるのは、この豊かな田舎の風景に価値が見出される時代が来る!と信じて一大ブランドを作り上げた群言堂の古民家再生の宿、阿部家。この阿部家も大森の町にあります。こちらは撮影が許されるのは宿泊客のみなので玄関部分だけ。

そしてこの先に群言堂最初の店舗、石見銀山本店へ。
こちらは1989年につくられた暮らしの楽しさを発信するお店。なんともともとは築約150年の旧商家をリノベーションし、300坪の敷地にはさまざまなライフスタイルの群言堂ショップが入っています。

わたしたちはこちらでランチタイム。カフェでは丁寧につくられたおむすび弁当を。シンプルながらひとつひとつに手間がかけられた魅力的なお料理です。

カウンター席から眺める景色が本当にすばらしくて、こうした財産のある石見銀山、大森はこれからもっともっと人気が出るだろうなぁと心から思ったのでした。

群言堂 石見銀山本店
島根県大田市大森町ハ183
(0854)89-0077
ショップ営業時間 10:00~18:00
カフェ営業時間 11:00~18:00
水曜定休
(祝日は営業、年末年始、その他 臨時休業あり)

 

長く続く赤瓦文化のその先へ、江津本町の町歩きが教えてくれること

今回の旅のテーマは島根の赤瓦を巡ること。国内には古くまだまだ知られていないけれど価値のあるもの。そういうものが本当にたくさんあります。そういうものをいち早く知り、体験してたくさんのひとに知ってもらうこと。それがわたしの大事な役割のひとつだと思っています。

そんなもっともっと知られなくてはいけないこと、なによりも本当に美しい景色を知っていつか自分の足で訪れてほしい場所のひとつがこの江津です。実は3月末で廃線になってしまったJR三江線の町。

この線路を電車が走る姿はもう見られないけれど・・・もしも安全性が確保される場所があれば観光地化してほしいなぁと。古いものを生かして、次につなげること。壊して新しいものをつくるのは簡単だけれど、こうした町並みを大切に育てて守って欲しい、そしてそういう町にわたしは旅したい。

江津の町はひとつひとつのお家がアートのようで、のんびりと歩いているだけでとても楽しい。瓦の形やオブジェも豊富。ところどころに花が生けられていて文化レベルの高さを感じます。この景色や家々をバッグに写真を撮って欲しい。そして世界中のひとたちがここで1枚の写真を撮るために島根にやってきた!なんて人が増えてくれたらいいな。

 

 

浅利駅にあるアサリハウスで田舎暮らし体験を!

風力発電のあるブルーグリーンの海、それが浅利駅周辺。とにかく島根の海は美しくてドライブしていても、車窓を眺めていても飽きることがない。そんな浅利駅に誕生したゲストハウス&体験施設が「アサリハウス」です。

地域住民のためのスペースとしての活用だけでなく、ゲストハウスの機能もあるため、浅利にある新しい島根スポットとして今注目されています。島根が魅力的だなと思うのはこうして若い人たちが独自の感性で古いものを生かした新しいビジネスを展開していること。

その地域ならではのものを再解釈し、素敵なもの、施設を作り上げています。

かまどでご飯を炊く体験ができたり、自然・農業体験ができるコースも。また地域のおばあちゃまたちが集まって作るアクリルたわしを購入することも。

さまざまな取り組みが地域を変えていくきっかけになれば、と話すそんな素敵なオーナーさんのこれからがとっても楽しみです。

ぜひ次回は素敵な宿でゆっくりと島根旅もしてみたいものです。

アサリハウス
(ゴウツゲストハウジーズ)
浅利町166番地2
facebook

 

インスタの「#hommaniameets島根1803」もあわせてチェックしてねー!

島根県芸術文化センター
グラントワ
島根県益田市有明町5番15号
0856-31-1860
8:45~22:00
毎月第2火曜日および第4火曜日、年末年始は休館

{ Special Thanks, 島根県芸術文化センター「グラントワ」 }

※島根県芸術文化センター「グラントワ」から取材の依頼を受けて執筆した島根県のPR記事です。

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