{ 2度目の #ボヘミアンなチェコ旅 } ズリーン (Zlin)

今日ピックアップするのはズリーン。チェコにとってこのズリーンは、はずせない土地のひとつです。というのもズリーンとは・・・

ズリーン (チェコ語:Zlín)は、チェコのズリーン州の都市。ドジェヴニツェ(チェコ語Dřevnice)河岸にあり、1949年から1990年までの社会主義時代の市名はゴットヴァルドフ (Gottwaldov)であった。現代の都市としての発展は、製靴会社バタ(バチャ)と密接に結びついている。

創業者トマーシュ・バタの優れた経営手腕のため、ズリーンは第一次世界大戦後の会社が飛躍的に発展したことから有名になった。また、現代的な計画都市でもある。人口がおよそ3,000人だったズリーンの町は、トマーシュ・バタが製靴工場を創業した後飛躍的に人口が急増した。

会社の目覚ましい経済成長と、労働者の何不自由ない暮らしが増加したことで、バタ自身が1923年にズリーン市長に選出された。(wiki)

バチャというひとりの英雄ともいえる経営者が登場したことで発展した町だから。

そんなバチャゆかりの建物がたくさんあります。ズリーンはこのバチャの偉業を感じられる施設を中心にお届けしましょう。

 

えっ、エレベーターが社長室!?当時の最新技術をどんどん取り入れたBata’s Skyscraper(バチャ超高層ビル)は必見!

もともとはバチャの本社だった建物(1935 年に建設、地上16 階、高さ77.5m)を見学できるツアーがこのBata’s Skyscraper。
ズリーンを発展させたバチャという会社はチェコ内ではすでに消滅(海外ではまだ残っています)してしまったのですが、今はズリーン市の持ち物として観光施設になっています。

こちらのBata’s Skyscraperの最大のハイライトは動く社長室、つまりは大きなエレベーター。当時はチェコでもっとも大きな建物(ヨーロッパで2番目)だったというバチャ本社は当時の最新技術を取り入れたすばらしい建築です。ツアーに申し込むと、この動く社長室に実際乗って上まで行くことができます。というわけでぜひこの今も動く社長室体験をしていただきたい!

これがエレベーター内にある社長室!あまりの広さにビックリ!シンプルでなかなか素敵です。

屋上からはズリーンの町が一望できます。バチャの凄さは街づくりの上手さ、仕組みづくりのうまさでもあります。社員のためにちいさな町、地域を作ってしまったバチャはまさにアイディアマンであり、やり手経営者だったといえるでしょう。この話は次の章にも続きます。

Bata’s Skyscraper

21. správní budova – zlínský mrakodrap
třída Tomáše Bati 21 760 01 Zlín
+420 577 043 111
08:00-21:00
59コルナ(約300円)
※要予約(1週間前までに)
facebook

 

バチャ製品とその発展を支えた工業機械&仕組みが見られるMuseum of Southeast Moravia in Zlín

そんなバチャが一番最初にはじめた事業、それがシューズメーカーでした。創業当初は市場に出回っているシューズの廉価版(革ではなく布のシューズ)をつくるような会社だったそうですが、アメリカのフォード式と出会ったことでバチャはチェコのフォードになろう、と決意。それまでひとりの職人が最初から最後まで作っていた靴製造に分業制を取り入れました。

また専用の機械を開発することで熟練した職人でなくてもすばらしい靴が大量生産できるように。この大量生産のおかげで安くてよい靴がヨーロッパ中に供給できるように。最終的には専用の社宅建設に必要な資材、工場用発電所から生活物資まで製造は多岐にわたる。そんな風にして次々とバチャは靴の販売に必要なあらゆる事業を展開していきました。

実はタイムカードをチェコではじめて取り入れたのもバチャだといわれています。この出勤状態を表すカードはクレジットカードがなかった当時にズリーンの町(の一部の店)でお買い物をすることもできたという便利な機能も。買い物した分は給料から天引きされる仕組み。バチャで働く社員たちは当時最先端かつ便利なサービスを利用することができた人々でした。

バチャの店舗にあったという古いレジスター。

昔のシューズアイテムのデザインがとてもかわいくて。復刻版をお土産で作ってほしい!そして靴のサイズを測るこんな機械まで。

最終的には安くて機能的な靴(厚底で歩きやすい体育館シューズみたいなもの)で大ブレイク。ヨーロッパ中で売れに売れたバチャの靴はズリーンという町に大きく貢献。社員は会社の近くの社員寮で暮らし、バチャの会社を中心に病院や学校とまさに小さな町、国家のようになっていきました。

バチャの凄さというのは会社を成功させたというだけでなく、工場を中心に社員寮や関連施設、また病院や学校などといった生活に必要なものをまるごとつくり、人々に安定とすばらしい仕事をする環境を与えたこと。その仕組みや哲学そのものが素晴らしいといえます。

まじめに努力し、成果をあげたものを正当に評価するための仕組みはまさに画期的。この考え方はのちにチェコを覆い尽くす「社会主義」とはまったく正反対の「資本主義」的思想でした。

そんなバチャの素晴らしさを感じることができる博物館へもぜひ。

Museum of Southeast Moravia in Zlín

Vavrečkova 7040, 760 01 Zlín
+420 573 032 326
月曜休
火曜日-日曜日10.00-18.00
129コルナ(約650円)
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地産地消の絶品ジビエレストランKoliba u Černého medvědaでディナー

ズリーン周辺で取れたものを使ったジビエ料理専門店、Koliba u Černého medvědaへ。入ったとたんにその世界観にぐっーと引き込まれる、山小屋風の素敵なレストラン。

この旅で初となる、ピルスナーウルケルで乾杯!

この暖炉型オーブンで焼き上げるジビエが人気。

何を食べても美味しくて、感激!とにかくチーズの大盤振る舞いっぷりは日本人には衝撃的。

ハムやサラミなども充実していて、さっぱりしたものからこってりしたものまで種類が豊富。

ズリーンに来たらこの店ははずせない、おしゃれで素敵なレストランでした。特にジビエ好き、肉好きは迷わず行くべし!

Koliba u Černého medvěda

U zimního stadionu 4092
760 01 Zlín
+420 577 436 908
日–木 11:00–23:00
金・土 11:00–24:00
facebook

 

バチャ様式で建てられたホテルのMoskvaにステイ

バチャの思想は建築様式にまで影響を与えました。ズリーンの町の建物にも機能主義を取り入れ、住宅用、業務用を問わずモジュールシステムを採用。柱を極力少なくし、均一化された標準資材を使うことでコスト削減に成功。現在の建築様式ととてもよく似ていることに気がつかされます。

客室にあった全身鏡はこんな風に「くの字」型でユニーク。

当時の社員寮に宿泊しているかのような体験ができるmoskvaはズリーンに滞在したらぜひ味わいたいことのひとつ。決して部屋自体は大きくもなく豪華でもないのだけれど、当時の人々の暮らしを感じることができるのは貴重。

hotel moskva

náměstí Práce 2512, 760 01 Zlín
+420 577 561 111

 

バチャが作った、チェコ初のフィルムスタジオでアニメーションづくりの体験を!

もうひとつ、バチャの功績がチェコで初めてのフィルムスタジオをつくったこと。実はバチャは世界中で靴を売るために映画館の前やショップでストーリー性の高いフィルムを上映。それまではただ商品の案内をするだけだったCMにストーリーをいれたことで大人気に。

というわけでバチャはよりスムーズに高品質なフィルムを製作するスタジオまで作ってしまいました。現在ではバチャの白黒フィルムで作られたムービーやアニメーションの作品の多くを見ることができる施設も完成。実は同じ場所にプロダクションもあるというから驚きです。

チェコの映画史を感じることができる展示や

こちらのスタジオで作品を作り上げた監督たちの名が記されたチェアも。ここからたくさんのアカデミー賞受賞作品が生まれました。

こちらはプロダクションの一角。ちょうどアニメーション作品の製作中。写真に写っているのは監督(!)

館内はたくさんのアニメーションにちなんだコーナーもあって、子供でなくても大はしゃぎ間違いなし!

自分がアニメの一部になったようなセルフィーも撮れます。

実はチェコアニメを深く知ることができるアニメーションワークショップも。
今回は一緒に旅したメンバーと2チームに分かれて作品を作ることに。簡単にストップモーションアニメを作ることができる環境が!

粘土でオリジナルキャラクターを作ることも可能!

3次元のタイプと2次元のタイプがあって、どちらもとても楽しそう。

わたしたちのチームは3次元を選び、ウルテクの人形で45分の間にストーリーを作ってみました。これが想像以上に難しい&楽しい。ぜひ次回は超大作を作り上げたい!と誓いました。(笑)

入り口もとってもかわいい!

ちなみにできたアニメーションはこちら。ウルテクときのこというチェコ人も大好きなテーマだったおかげか、まわりのローカルにも褒められた作品。ぜひチェックしてみて。

フィルムスタジオ uzel Zlín

Filmový uzel Zlín
Filmová 689, 760 01 Zlín, チェコ
+420 720 979 760
おとな
展示会のみ 129コルナ
アニメーション 199コルナ
展示会+アニメ  249コルナ
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※この旅はチェコ政府観光局によるブロガートリップです。

{ Special Thanks, チェコ政府観光局 }

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