旅は2度目からが面白い!広くではなく深く知る旅が好き。
ここのところつくづく思うことがあるのです。それは「旅はやっぱり面白い」ということ。
20代になり、自分のお金で旅するようになってからは、さまざまな国でまだ知らぬ文化やひとに出会い、新しい発見や刺激に心が躍る。そんな体験を繰り返してきました。
そしていま、日本の国内がとても面白い。しかも1度目ではなく「2度目の旅」がたまらなく楽しいのです。はじめて訪れる場所でも、あえて有名な場所は外して「2度目の旅」のようなプランを立てるなんて裏技を使うこともあります。
芸術と音楽を通して、地域の再生と発展の拠点となる場所へ
そんな旅を島根でしたいなら?ズバリ、石見地区の益田・津和野がおすすめ。
島根県石見地区の “大きな屋根=グラントワ” は地域のアートシーンを担う、シンボル的な文化施設。ぜひ前のめりで訪れたい場所。
2005年10月にオープンを迎えた「グラントワ」は著名な建築家である、内藤 廣(ないとう ひろし)氏によってデザインされた美術館と劇場が一体になった建物。その役割は美術館と劇場に限らず、地域全体にとって豊かな文化とアート、新しいものとの出会いやインスピレーションを与えてくれる存在になっています。
艶々と光り輝く、地域の名産物である「石州瓦」を屋根に12万枚、壁に16万枚も使用した建物そのものが芸術で、実際に目にしてみるとその高級感に圧倒されるはず。
有名アーティストにも愛される、最高級の劇場で心震える体験を!
1500席の大ホールでは、コンサートや演劇、ミュージカルなどほとんどすべての上映が可能な設備を備え、400席の小ホールでは月に一度映画の上映も。最高の環境で最高の音楽を楽しめるという、すばらしい劇場で11月には劇団四季のミュージカル、12月には大黒摩季さんのコンサートがありますよー。
何時間でも見ていられるほど、美しい施設内は驚くほどにフォトジェニック!
益田に住んでいたら、毎日でも訪れたいと思ったのが「グラントワ」の館内。シンプルな外観の艶やかな石州瓦の端正な姿に加えて、館内もまたどこまでも計算され尽くした美しさが眩暈を起こしそうなくらい洗練されていて、素敵です。
実は館内の床も艶やかな赤茶で統一され、上品な空間に浮かぶ円形のライトが音楽や音の波動みたい。幻想的。眺める高さや角度によって形を変えて、飽きることがない。本当に不思議だけれど、上質なものって全然飽きないんですよね。カフェやミュージアムショップ、ちょっとした図書スペースもあるので1日中篭っていたいと思うほどの空間。
インフィニティな中庭はため息がでるほどの開放感
グラントワといえば「中庭」というほど、シンボル的存在が建物の中央に位置する中庭広場。水面にはまわりの赤瓦が写りこんでとても素敵。春夏秋の陽気のいい時期にはここにいるだけでうっとりとするような開放感が味わえます。なお、2017年11月1日(水)から2018年3月末までの約5ヶ月間はタイルの張替え工事の予定のため、正面エントランスと回廊の一部を封鎖、中庭広場への出入りができなくなるので注意が必要。
企画展・コレクション展ともに味わいつくしたい、充実の内容
グラントワ内にある、島根県立石見美術館にはメインとなる企画展、そしてコレクション展、特別展の幅広いラインナップが用意されています。今回お邪魔したときには企画展として「没後70年 北野恒富展 妖艶、秀麗、はんなり-美人画の革新」が開催されており、コレクション展では企画展の展示作品と同時期のパリのファッショ
企画展はおとな1000円、コレクション展は300円、企画展・コレクション展セットだと1,150円で楽しめます。何度も行くなら年間パスポート(3,000円)も魅力的。
美術館エリアには、草間彌生さんの南瓜もあります。
充実しすぎ?!企画展関連プログラムは地元の文化交流にも。
お邪魔したときにはちょうど企画展(北野恒富展)の特別プログラム、Museum×Theater ミューシアvol.2 お座敷あそび体験「花街ってどんなところ?」を開催中だったので、あわせて取材させていただくことに。
大阪南地 お茶屋「たに川」若主人である谷川 恵さんから大阪の花街の文化についてレクチャーしていただいたり、大阪南地 芸妓の多佳さんによる三味線と長唄、お座敷遊びを体験できるという太っ腹な企画も。しかも参加費は無料だというから驚きです。しばし華やかな世界を堪能させていただきました。
企画展を開催するだけではなく、より深くその時代や世界観を楽しめるように工夫された有料・無料のプログラムが用意されているのには本当にビックリ!
マストで訪れたい、宝探しのようなミュージアムショップも楽しい!
グラントワの赤瓦の魅力にどっぷりと浸った後には、ミュージアムショップでお土産探しも。かわら(瓦)ぬご縁と称して、瓦でできた絵馬(500円)に願い事を書いて、館内にあるご縁結所にぶら下げるもよし、自宅に持って帰るもよし。瓦の重厚感がじわじわ来るアイテムです。
また建築家の内藤 廣氏がデザインし、地元の養護学校の生徒が手作りしたという箸置きはなんと150円という衝撃のプチプラかつ艶々と光る石州瓦を簡単に自宅に持って帰れるうれしいアイテム。ここでしか手に入らない素敵なお土産は買わずにいられません!わたしはホームパーティー用に12個ほどお買い上げ。
9月末からスタートの地元の歴史を紐解く「石見の戦国武将」展
益田の観光と絡めてぜひ行っておきたいのが、9月30日からスタートする「石見の戦国武将」展。まずはグラントワで企画展を堪能した後、観光スポットを巡るコースはいかが?石見は中世、戦国時代に最も栄えた都市で、その頃すでに海外との交易をスタートしていたというビジネス能力に長けたトップ、益田氏の足跡を想像しながら巡るのは楽しいはず。
中須東原遺跡(なかずひがしはらいせき)では原っぱの下に眠る、14世紀から16世紀に作られた船着場やタイベトナムの陶磁器に思いを馳せ、萬福寺の雪舟の庭をのんびりと眺め、どんな気持ちで戦乱の世を生きながらえたのかを想像してみる。会期中はそんなスペシャルな旅を満喫するチャンス。
【企画展】
石見の戦国武将-戦乱と交易の中世-
2017年9月30日(土)~11月13日(月)
10:00~18:30
毎週火曜日休館
島根石見地区の芸術と文化の秋旅は、空港からのレンタカーでのんびりマイペースに巡りたい!
島根県芸術文化センター
グラントワ
島根県益田市有明町5番15号
0856-31-1860
8:45~22:00
毎月第2火曜日および第4火曜日、年末年始は休館
{ Special Thanks, 島根県芸術文化センター「グラントワ」 }
※島根県芸術文化センター「グラントワ」から取材の依頼を受けて執筆した益田市のPR記事です。