ワインと鮨の口福な出逢い 鮨屋小野×Waimarama

お鮨のカウンターほどアガるものはない。背筋がすっと伸び、でもひとくちお鮨を頬張ればそのおいしさにふっと緩んでいく感じ。そんな瞬間が堪らなく贅沢で好き。

今回はグラスでワイマラマが飲めるお鮨やさん、鮨屋小野さんへ。

私は普段、お鮨にワインはあわせない。けれどふとした瞬間に気分が変わることがある。それはほかのお客様がオーダーしたワインのグラスが素晴らしかった時。

美しいワイングラスを目にしたとき、あっ、この店はワインを飲んでもいい店だ、となる。そのくらい、ワイングラスはわたしにとって大事なのだ。

そういう意味で、鮨屋小野さんでは安心してワインをオーダーできる。和食と相性がいいとされるワインに最適なリーデルのワインウイングスを使用しているから、よいワインを楽しむことに躊躇しなくていい。

そして何よりも驚くのは小野さんの類まれなる挑戦心だったりもする。なんと今回、ワイマラマのKIRARAKA 2013にあわせて、この店のスペシャリテ「小野スペシャル」のアレンジ版を3種も作ったという。

もともと小野スペシャルはまぐろのトロの部分を炭火で軽くあぶり、それを手巻きで提供するという贅沢な逸品。

カウンターのすぐ目の前で炙るので、香ばしい香りがふわりと立ち上がり、当然そうなると客の目線は火鉢に注がれる。美しく、芳醇な香りを纏ったまぐろに濃厚な海苔の香りもまた素晴らしい。

ノーマルなものでも最高においしいのに、このスペシャルバージョンは梅肉、実山椒の醤油づけ、山椒味噌をそれぞれ巻き込んで作られる。

このさらに複雑な風味を加えた巻物が実にワインによくあう。

これからワインに合う鮨がどんどん開発されていくのだろうか。それはそれで楽しみでもある。

鮪も海苔も薬味も大好きなワタシからするとまさに夢の全部載せ。

そこに柔らかなシラーのkirarakaをあわせればまさに口福のひととき。あー、シアワセ。

もちろん、鮨屋小野さんでは小野スペシャル以外でもすこぶるおいしいネタとつまみの数々が揃っており、とにかく楽しくて、美味しい。

おいしい江戸前鮨とワインが飲みたい夜には間違いなく、鮨屋小野さんで決まりだ。

鮨を握る所作の美しい職人は間違いなく、美味しい。美しいは美味しいにつながっている。

この日の夜も、極上の鮨とワインで口福な時間はあっという間に過ぎてしまった。

やっぱり鮨が好き。そしてワインが好き。

 

鮨屋小野

東京都渋谷区恵比寿4-11-8 B1
050-5590-7410

 

Waimarama

KIRARAKA 2013 750ml
13,000円(税込: 14,300円)